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死にたくなったらどうするか~O先生の話~

star30rainbow:

O先生の授業の中で、忘れられないエピソードがある。

ひとつは、授業で自殺に関する内容の英文テキストが出てきた時のこと。

O先生は自殺について語った。

「人間、死にたいなぁ、と思うことがあるんですね」

先生はドスの利いた男っぽい声で話し始めた。(注:女性教諭)

「誰でもあります。いや、ない方がおかしいくらいなんです。でも、死んではならないんですね。なぜなら、悩んでいる時は、確かに深刻に悩んでいても、後から考えると、なんであんなことに悩んでいたんだろう?って、自分でもわからなくなることがあるからなんですね。だから、死んではならない。しかし、どうしても死にたくなったらどうするか?その時は、メシを食うんですね。普段一杯食う人間は三杯、三杯食う人間は五杯です。大体、人間腹が減っている時はろくなことを考えないものです。そして腹一杯になったところでもう一度考えてみるんですね」

これは私の想像だが、予備校で長年講師を務めてきて、O先生は幾度か教え子の死に直面したことがあったのではないだろうか。

この言葉は、毎年やってくる学生に対しての、先生なりのメッセージだったのだと思う。

PHP No.737 10 12P [ポケットの文庫本]高岡俊英さん[第三十八回PHP賞受賞作](抜粋)